根本晃
愛知県豊田市の松坂屋豊田店が30日、約20年の歴史に幕を下ろした。市中心部の「街の顔」として多くの人々に愛されてきた。駆けつけた市民らが、最後の瞬間を見届けた。
営業終了後の午後7時半ごろ、店頭で渡辺智邦店長(54)が「すばらしい街で商売をさせていただいた。みなさま本当にありがとうございました」とあいさつした。入り口のシャッターが下りると、市民らから「ありがとう」と感謝の声が飛び交った。豊田市のパート、河村綾子さん(46)は「地元密着の親しみやすい百貨店で、ちょっと人に贈り物をしたい時に来ていました。無くなるのは本当に残念です」と話した。
松坂屋豊田店は「豊田そごう」の後継として、2001年に開店した。ピーク時の07年2月期は約100億円の売り上げを誇ったが、郊外型の大型ショッピングセンターに押され、20年2月期は約69億円まで減少。20年4月に閉店が発表された。地方百貨店は苦境が続いており、松坂屋の閉店で愛知県東部の三河地方から百貨店が消えたことになる。(根本晃)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル